当院の縁起
岐阜県東濃地方は、霊峰御嶽山、恵那山が近いこともあり、古より山岳信仰が盛んな土地柄でございます。 故に、代々このあたりは祈祷師、山伏が数多く輩出されました。 古くは御嶽講ともうしまして、有力な先達を中心として信徒グループを結成し、山へ参拝や各種の祈祷や宣託をおこなってきました。 那智大社近隣で有名な実利行者も同郷の方でございまして、当祈祷所とも縁があり、実利行者の肉筆の軸と行者講私記も当祈祷所に伝わっております。 そのような背景もあり、当祈祷所は本山修験宗総本山聖護院門跡に所属し、続いている修験の祈祷所でございます。日々、様々な祈願や供養をし護摩を焚いております。
本山修験宗について
日本人は昔から山には神々が宿ると信じ、山や自然に源を発した山岳信仰を持っています。
特に日本は山と自然が多く四季に恵まれ、の様々な恵みをもたらしてくれたこと、またその一方で、災害も多く、故に山(大自然)に対して畏怖の念をもったからと言われております。そのうち山そのものが神体とみなされ、人により大自然のなかで行を積むことにより霊験を得ようとした人たちもでてきました、のちの山伏と言われる方々です。時代が下ると大陸から道教や仏教、陰陽道などと融合し神仏習合の色彩が強い宗教がうまれてきます、それが修験道と言われてます。 修験道は約1300年前役行者のちの神変大菩薩が開祖といわれております。 つまり修験道とは自然との融和を精神を基とし菩薩道を実践する日本独自の宗派です。
ご本尊について
ご本尊は不動明王とし、脇侍として観世音菩薩と大国主命をおまつりしております。 不動明王は大日如来の化身で憤怒の相をしておりますが、親が子を導く慈悲の心の現れです、右手の智慧の剣で人々の三毒「貪(トン)むさぼる心」「瞋(ジン)怒る心」「痴(チ)おろかしさ」を滅し、速やかに悟りの境地へはいらしむる慈悲をも表します。 また、左手の縄で邪なものをしばりつけ、善心をおこらしめ、人々が明るく正しい道を歩く手助けをしてくださるといわれております。